ニャ

僕には弟分がいて
あいつはいつも扉の前で
部屋にいれるよう催促してた


暑い日も寒い日も
布団の中に入ってきては
お腹がすいたと顔をぺしぺしするまで
一緒に寝るのが常だった


2年ほど前から
僕は新しく居を構え
あいつと寝ることはなくなったけど
ふと実家に帰ったときに
あぐらをかいた膝の上で
くつろぐ姿に変わりはなかった


ポケットの中にいれて持ち帰った
十数年前から昨日まで
僕は幸せだった
あいつも
そうだったらいいな