ちょっとだけよ

人に会わず言葉を失って、
部屋でひっそりとしている時間がすき。
なるたけ悲しい本を読んで、
涙を流すようにコントロールする。


嬉しいことや喜ばしいことを、
感受し表現するのは難しい。
心から楽しいと思えることが続く、
そんな経験をしたことはない。


やるせなさ、寂しさ、せつなさは、
いとも簡単に内にもぐりこむ。
肝心なものは深いところで息を潜ませ、
両の眼からだけ少しの想いを漏らさせようとする。


そうして心が動いているのを確認する。
安易に泣ける己に安心する。
笑えなくとも泣ける己を、
殻に閉じこもって抱え込む己を愛おしく思える。



まぁ、少しだけ吐露してみたい…
そんな日もたまにはあるわけで。