ありがとう

引退スピーチなるものがありました。
懐かしいですなぁ…もう10年以上前のことだね。


ワシが高2の頃、つまり高3が抜けた時はミーティングに行くのが嫌でした。上級生がいなくなってしまうのが寂しかったからというわけではなく、自分がキャプテンという立場にたちそうだったからです。それが嫌で嫌で…学校ごと休んでいました。
まぁ結局は先生に電話で説得されて受け入れることにしたわけですが、ワシが休んでいる間ミーティングは行われなかったですね。練習もそう休みにしているわけにもいかないので、実際行われた3年生の引退ミーティングは簡素なものでして、全然覚えてないぐらいに短かったです。本来新キャプテンの挨拶とかあるはずなのに、その時のミーティングではワシ言ってないしなぁ…グラウンドに出てからちょろっとだけ、あぁ本当に勝手者だわ。
今となっては凄くいい経験させていただきました。


自分自身が辞める時のミーティングも休んでましたね…これは単純に体調を壊しただけだったんですが、きっと重荷から解放されて疲れが出たんでしょうなぁ。まぁでもこれも、ワシの体調が戻るまでミーティングなかったですね。次のキャプテンも決めてなかったし…ホント酷い話だなぁ。
当時何を喋ったかは勿論全然覚えてないですけども、シレっとキャプテンぽいこと言って適度に締めたやらしい男がそこにいたんだろうなぁ。先生にお礼は言ってないことは確かだわ。


最近の子はあれやね、先生やコーチに対してお礼の言葉を述べるんやね。照れくさいから止めて欲しいわ…ありがとうございましたって言われて嬉しい気持ちと、あぁ本当にコイツを見るのは終わりなんだっていう寂しい気持ちがまざって、うまく自分をコントロールできないから嫌だ。特に後輩には弱弱しい部分や、まして目に涙を溜めてるとこなんか見られたくないやん…勝手気ままに好き勝手言って、偉そうにしているのがワシなんだ。
毎年そうなんだけど、選手権の最後の試合に負けた直後のミーティングは避けるようにしている。今年もあった校舎の狭間でのミーティング、聞いてしまうのがたまらなく嫌で水の入ったボトルの回収に目一杯時間をかけてました。絶対に平静でいられないもの、そんなとこは見られたくない。自分が現役の時ですら、こっそり隠れて泣いてからミーティング始めたなぁ…うっかり探しにきた先生に見られたり、これまた懐かしい話だわ。


そんなこんなで今回の引退スピーチミーティングも行かないつもりだった。でも、絶対来て下さいって起こされたら行かなきゃなんねえべ…まぁそれでも遅刻したんだけどね。うん遅刻して良かったよ。3分の1も聴いてないのに色々なこと思い出されて大変だったからさ。
初めてCチームっていうカテゴリが常設された学年で、合宿等ではいったいどうなることやらって感じたもんだけど、楽しい学年だったし戦う集団になっていったなぁ。怒ったり呆れたりしながらも、アイツらと球を蹴ってる時間が大好きだったよ。
負けたことは受け入れられる。でもグラウンドにアイツらがいないことがなかなかね…まだまだ実感が湧かないや。もう少し時間がかかるだろうな。でも新しいスタートは切らにゃいかんし、コーチたるワシがいつまでも引き摺っているわけにはいかんよな…頑張らねば。


引退した3年生、たくさんの思い出をありがとう。
面と向かっては言えんワシを許しておくれや。